3/8 古代を訪ねる旅①伊勢移動日

3/7にキャンパスに出向き、大学院入学書類(といっても入学金振り込みの控え)を提出してきた。早く帰省を終わらせたのはこの書類の提出のためである。

ところで、3/8から3/11までは完全なるオフであり、18きっぷもあと4回分残っている。3月中旬・下旬は長い休みができそうにもなく、この4日に少しでも使わないと18きっぷのフル利用が危ない。

ということで、旅に出ることにしたが困るのは行き先である。東北、北陸、近畿と迷ったが、近畿地方の寺社を巡ることにした。

いい場所に快活クラブが存在することは確認したので、宿もとらず旅程を決めた。

3/8 移動日。沼津で寿司を食べ、名古屋を経由し伊勢へ。伊勢の快活泊。

3/9 早朝伊勢神宮に参り、室生寺長谷寺を見学して橿原の快活泊。

3/10 飛鳥を巡り、東大寺の二月堂を見てちょうどいいところに泊まる。

3/11 移動日。途中で浜松餃子を食べたい。

①沼津

上野東京ラインに乗って熱海に向かい、東海道線で沼津。筆者の家は東京駅より北にあるため、通勤時間帯とあって混雑していた。しかし東京駅で一気に人はいなくなり、ボックス席に座ることができた。

2時間弱かけて熱海に着く。熱海は大学1年の夏、幻となってしまったオリ合宿の下見と称して同クラと行った場所である。

鬼怒川と並び、首都圏からの旅行先として有名だったが、交通手段の発達で日本が小さくなってしまったためか、最近は「熱海に旅行に行った」とはあまり聞かない。

熱海から20分ほどで沼津に着く。沼津は国府津から出る御殿場線の終着駅である。御殿場線箱根山を北回りで結ぶ路線であり、元の東海道線である。しかし旧信越本線同様、勾配がきつかった。

ゆえに、丹那トンネル(熱海ー函南間の長いトンネル)を掘れたことで熱海ー沼津ルートが完成するとそちらに取って代わられたのである。

しかし、東海道本線信越本線を比べたとき、「なぜ信越本線はトンネルを掘らなかったのか?」という疑問が浮かぶため今後の課題にしたい。

沼津の目的は「魚がし寿司」である。高校同期がおすすめしていたので本日の昼食スポットとした。

まずは、ランチセットで一番いいやつ(2000円強)。ネタが大きく美味しい。

しかし、せっかくならば地元のネタも食してみたいものである。胃袋には余裕があったので近海八種握りセット(1000円強)を頼んだ。桜えびや生しらす、カツオなど、静岡らしいネタが並び大満足だった。

これだけ食べても3300円ほどだったので、完全にす◯ざん◯いを超えている。タ◯ノフルーツ◯ーラーで買う1玉1000円超えの桃より長野市の農協で買った桃の方が美味しく感じるように、やはり現地でその地の名産を食すというのは良い。

熱田神宮

静岡には「草薙」という駅があり、その少し名古屋側には「焼津」という駅がある。焼津の語源は、記紀に記される以下のエピソードである。

"景行天皇の子、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が全国征伐に出向いた際、この地で敵が草原に火を放って日本武尊を殺そうとした。その際、携えていた天叢雲剣で草を切り、窮地を切り抜けた。"

そしてこの時天叢雲剣で草を薙いだことから、「草薙剣」という名になったという。むろん三種の神器の一つである。草薙駅もこのあたりが語源かもしれない。

なお、三種の神器のうち草薙剣を祀っているのがこれから向かう熱田神宮八咫鏡を祀っているのが明日向かう伊勢神宮である。

ちなみに、浜松ー豊橋間に「御厨」という駅があるが、御厨とは神社の経費を賄う領地である。静岡の御厨は伊勢神宮の所領。長野市川中島にある御厨はどこの所領であろうか。

熱田神宮。宝物館や草薙館といった施設で刀剣が多く展示されているので、刀剣好きはぜひ行ってみてほしい場所である。

境内にはこのような神社もある。形としては完全に弥生時代の高床式倉庫である。伊勢神宮も同じで、こういった昔ながらの様式を堅持していることも空間の聖性を高めていよう。

名古屋名物の油そば、歌志軒。春◯亭や武蔵◯アブラ◯会よりもここの油そばの方が好き。

近くに「きよめ餅」という銘菓があったので買ってみた。

せっかく名古屋に来たので、高校同期Tに会った。進学祝いということで良さげな衣料用洗剤をもらった。ありがとう。あと3日間持ち歩きます。

名古屋駅は2つのタワーが目立つ。非常に近代的な感じがして、とても好きである。ちなみに1番好きなのはJR京都駅。

伊勢市

名古屋から最後の「快速みえ」に乗って伊勢市に向かう。これは伊勢市行きだが、途中私鉄を挟むため普通列車に乗り換えなければならない。

四日市で降りる。四日市とはいうまでもなく三斎市である。毎月4がつく日は市を開きますよ!というものである。他にも二日市、六日町、十日町などの地名があるが由来は同じである。

なお四日市市には、四日市ぜんそくというあまり喜ばしくない歴史もある。

伊勢市行きの最終電車に乗っていると「あこぎ駅」などという駅名が耳に入ってきた。調べてみるとどうやら、「あこぎな商売しやがって!」の「あこぎ」の語源だそうである。阿漕とは、たびたび密漁をして海に沈められた人の名前なんだとか。

23:16、伊勢市駅に着いた。長野と並び称される門前町だけあって、かなり雰囲気がある。

さて、筆者はもちろん宿は取っていない。こんな時間に着いて、明日の朝早く伊勢神宮を参拝するのに宿なんか取っていたら勿体無い。一人旅の味方、快活クラブである。

しかしこの快活クラブ、車を想定しているのだろう、駅から3キロほど離れている。しかも神宮とは反対方向だ。神宮までは歩いて1時間20分かかるらしい。まあ、明日の朝時間をかけて参拝したほうがありがたみも増すというものであろう。「この参拝者の誰よりも苦労してここにたどり着いているのだ」と胸を張ることもできよう。

古代を訪ねる旅、明日が実質初日です。

伊勢市の路上にて