四国九州①

この半年ほど、一部友人から「ブログ書け」圧があったがブログのネタになるようなことはなかなか難しい。

基本的に、「書けるような」「新しい体験」をした時に書くようにしているためである。

M1なら日々新しい体験に満ち溢れているが、それがブログとして公開して面白いか、そもそもブログにしていいのか、という問題があるので書いていない。なお野球はシーズンが終わってから書こうと思う。

さて今回は、久々の長い旅である。四国、九州に行く。なぜ四国、九州かというと、徳島で木簡学会の特別研究集会があるためである。

九州は学会とは特に関係ない。

木簡とは

そもそも木簡とは何か。まずこの点から説明せねばなるまい。木簡とはこんな感じの物体である。(画像:https://www.bunka.go.jp/prmagazine/rensai/bunkazai/bunkazai_054.html)

昔は紙と木を併用していた。木の利点として、文面が用済みになったら削れば再利用できるということがある(昔は墨なのでもちろん紙は再利用できない)。

削り屑や、あまりに削りすぎてもう使えなくなった木簡は当然ゴミなので捨てられる。しかし、これらには字が残っている。これらが千年以上を経て残っているのが、木簡である。

今の感覚で言えば、「シュレッダーすべき書類がシュレッダーされずに残った」とか、「ゴミ箱フォルダに入れたはずなのになぜか残っていた」みたいなものになるだろう。

なんだよ、ゴミじゃんと思うかもしれない。一面ではそうで、一面ではそうではない。古代の史料で今まで受け継がれてきたものといえば、『日本書紀』などの歴史書や貴族の日記、公文書の文例集などである。しかもこれらは、必要とする貴族たちによって写されて残ったもので、原本は残存しないものがほとんどである。

つまり、古代の資料がそのまま残ることは稀で、何を残すかは、貴族たちの選択によるのである。つまり、どこの国が何年に何を献上したとか、そういった情報は基本的に選択されない。

その点、本来ゴミで、意図せず残存した木簡はそういった制約は受けない。木簡は文献資料の穴を埋める一級資料なのである。

とはいえ、筆者は木簡を研究で使ったことがないのでこれ以上はあまり聞かないでいただきたい。

徳島へ

集会は明日なので、本日は移動と観光の日である。サンライズで高松まで行く、新幹線で新神戸まで行く、18きっぷで行く、色々考えたが、飛行機で行くことにした。

羽田発のJALである。今まで成田発のLCCにしか乗ったことがなかったので楽しみだ。(台湾に行く時に乗った航空会社は忘れた)

楽しみついでに、+2000円ほど払って「Jクラス」なる席にアップグレードしてしまった。大分で会う予定の友人が、特急券無料を捨ててまでグランクラスに乗ったことに触発されたのもある。この友人は筆者がブログを始めるきっかけになった友人で、発想の面白さも段違いなので、ぜひ他の記事も見てほしい。

なお、せっかくならファーストクラスにしようかと思ったが6万したのでやめた。1時間程度のフライトに6万て。そんなん、もう家賃やん。おーん…。

なお、東京モノレールに乗って飛行機を見るためだけに羽田に行ったことがあるので、羽田から乗るのは初めてだが羽田に行くのは2回目である。

12:45発の便だが、朝にやることもなかったので11:20頃に羽田に着いた。まだ朝食を食べていなかったので、朝昼兼用で「うちのたまご」に向かう。

卵とじの味に興味があったのでたまご丼を選んだ。

めちゃくちゃうまかった。江戸そばの濃い味付けも好きだが、上品なだしの風味がする卵とじもまた良い。帰りは卵かけご飯を食べよう。

成田ではずっと僻地、第三ターミナルだったが、今日は泣く子も黙る、駅直結第一ターミナルである。

離陸まで一時間あるし、暇だなーと思っていると、讀賣ショップを見つけてしまった。

8泊9日の旅なのに、初日に買ったこともない野球カードを買ってしまった。

贔屓で言うとオリックスの曽谷選手とヤクルトの木澤選手が出た。

「空弁」という店があったが、ちゃんと中身の入った弁当を売っていた。どういうことなんだろうと思ったが、よくよく考えたら「そらべん」と読むのが正解である。ここ空港だし。

これがクラスJの座席である。

本革シート、大きめのテーブル、広い足元と、かなり優良な設備だった。ドリンクサービスもあった。

鎌倉の「天然の要害」っぷりがよくわかる。

富士山。

南アルプス。さすが日本の屋根といわれるだけある。『日本書紀』か何かに「異常に険しいヤバいところ」みたいに書かれていたのも納得。

徳島空港。あまりに速すぎて拍子抜けしてしまった。リムジンバスで徳島に向かい、そこから県立博物館に向かう。

バスの中でプロスピのガチャを引いたらS川端が出た。なんて幸先の良い旅なんだ…

徳島観光

徳島駅に着いたのは15:00ころだったので、あまり観光もできまい。バスで30分ほどのところに県立博物館があったので、そこに向かった。

県立博物館はこれまで長野、栃木、神奈川に行ったことがあるが、「幅広い層にどうやって歴史を説明するのか?」という工夫にそれぞれ特色があって面白い。木簡が多く出ている観音寺遺跡の予習としても役立つだろう。

と思ったら、学会1日目の行程に博物館が含まれていた。まあ団体行動ではできないような経験をすれば損した気分にはならないだろう。

導入部、とてもきれい。なお歴史博物館ではないので、地質や生物の展示も存在する。学会では理系部分は当然スルーだと思うので、じっくり観察してきた。剥製が数多くあったり、徳島の漁業を知れて面白かった。

触れる展示が多かったのも良い。

外には猫がいた。驚くことに、全く逃げる素振りを見せなかった。地域猫らしい。

博物館の裏にはカスケード(人工滝)があり、バスまで時間があったので見に行ってみた。隣の階段が濡れていて、転んでスマホのガラスカバーとケースが少し割れてしまった。人間万事塞翁が馬とはこのことか。次はいいことがあるはず。

「紺屋町」というバス停があるのが、徳島らしくて良い。

夕食は徳島ラーメンを食べた。徳島ラーメンは豚骨ラーメンで、徳島ハムの工場から安い豚骨が大量に提供されたため生まれたものらしい。

臭みがあまりなく、「おいしい肉のタレ」という感じだった。

珍しいのであおさの替え玉を試してみた。

これはなんだろう…

夜の新町川。海から割と離れているが、潮の香りがするし満潮と干潮があるらしい。

おわりに

宿に着いたので、PC作業をしながら野球でも見て過ごすことにする。当初は快活を取っていたが、あんまり夜まで過ごせるところがなさそうだったので、前日に急遽ホテルに切り替えた。

明日は頑張ろう。頑張って大先生や大先輩にご挨拶。他大に知り合い作っておいてよかった…