北陸新幹線長野ー大宮

 先日、このような記事 を書いた。新幹線を利用せずに帰省しようという試みである。往路は、大宮で乗ると座れない可能性があったため在来線を利用したが、復路は長野駅が「あさま」の始発であるためそのような心配はない。復路は新幹線を利用することにした。

 帰省期間中は、ラーメンを3杯食べたり、善光寺に初詣に行ったり、おみくじで小吉と末吉を出したり、カラオケでは「君が代」バトルで53点を叩き出して非国民になったりと、なかなか充実していた。勉強も、院試前ということもあり、いつもの帰省と比べれば捗った。

 1月9日、翌日のゼミに出るため、16:24発のあさま626号に乗った。3連休の最終日ということもあり、コンコースはかなり混みあっていた。スキー客も多そうだ。あさまは自由席が1~5号車と多く、座れる確率は高いが、車両の中ほどまで列があった。とはいえ新幹線はかなり収容力があるので、それでも2人席を1人で使えるくらい余裕がある。

 在来線に嫌というほど乗った後に新幹線を見ると、その豪華さに驚く。トイレの設備と綺麗さ、座席の座りやすさ、全てが段違いである。自由席がグランクラスにも見えた。安上がりな人間である。

 2人席は進行方向右側の席であるため、長野を出ると、まず目につくのが裾花川沿いのマルコメの工場と、その向こうに見える長野県庁である。新幹線は大学生になってからの方が圧倒的に乗っているが、北陸新幹線の車窓を見ると、未だに予備校の授業を受けに行ったり受験に行ったりした時の心情を思い出す。4年経って、今は院試受験生をやっている。新幹線で『鉄壁』を開く姿は、4年前と変わらない。

 軽井沢に着いた頃、辺りが暗くなり始めた。新幹線の車内はかなり暖かく、眠気から英単語が頭に入ってこなくなったため諦めて『トランヴェール』を読んだ。久々に沢木耕太郎氏の「旅のつばくろ」でも読んでエッセイの書き方を学ぶか、と思ったが、「旅のまにまに」という連載に変わっていた。2022年3月を最後に連載を終了したらしい。

 高崎駅でかなり人が乗ってきて、乗車率が100%近くなった。高崎からならば、乗車券+1000円(休日はもっと安いはず)で高崎線グリーン車(ガラガラ)に乗れるので、筆者の故郷が高崎ならば絶対に新幹線など乗らないと思うが、考え方は人それぞれである。

 高崎といえば、ずっと気になっていたものが「高義マンション」である。いずれいい写真が撮れたら追加するが、マンションの看板の「義」の字がおかしい。下半分が逆である。北陸新幹線を利用する人ならば共感してもらえるかもしれない。

 約1時間20分乗ったところで、大宮駅に着いた。やはり新幹線は速い。1997年の長野県民も同じことを思ったであろう。家に着いたのは、長野駅を出てから約2時間半後だった。在来線よりも4時間半ほど早い。

 高い高いと思っていた新幹線特急券が、なんだか安く感じた今回の帰省であった。